新・景観開花。

2004年から15回にわたり行われてきた、学生向け土木デザインコンペ『景観開花。』が1年の休止を経てリニューアル。
再始動にあたり、新景観開花。の特徴を紹介する。

基本理念への回帰

 景観開花。は、土木デザインに関心のある若者へその力を試せる場を提供するとともに、多くの人々へ向けて土木デザインの可能性を示すための設計競技イベントとして15回にわたり開催されてきた。

 近年の景観開花。は土木施設と『まち』との関係性を重視してきた結果、土木施設そのものが持つ魅力への関心を薄めてしまった。土木施設が『まち』に対して与える影響は本来土木施設が持つ魅力、機能によってもたらされるものであるはずである。そこで景観開花。は土木施設そのものが持つ魅力、素晴らしさに再びフォーカスし、土木施設が織り成す景観、土木施設を中心とした『まち』の広がりの可能性を探究していく。

 また、景観開花。開始当初は土木デザインに関心のある若者にとって自身 の発想力やデザイン力、発信力を発揮できる場が少なかった。その数は増えつつあるが、いまだに十分であるとは言い難い。専門に関係する事なく土木に関心のある若者が挑戦する場になるべく景観開花。は若者の若者による社会全体のためになる土木デザインコンペとして再始動する。

 以上の事より景観開花。は、土木デザインの持つ可能性と土木デザインに関心のある若者の可能性が掛け合わさる事による無限の可能性を示せる場として、「土木デザインに関心のある若者へその力を試せる場」、「多くの人々へ向けて土木デザインの可能性を示す」という基本理念に今一度立ち返る。



時代の潮流に合った土木デザイン

 第1回から第10回までの景観開花。では「未来へつなぐ新時代の土木デザイン」の提案を募り、これからの土木施設のデザインについて探究してきた。
 また、第11回から第15回までの景観開花。では「 『まち』とそれを支える土木構造物へのあり方について 」の提案を募り、土木施設のみのデザインだけでなく、『まち』に潜む問題の顕在化に対して、土木施設のデザインでのアプローチを試みていた。

 景観開花。の誕生以来も技術やシステムの進歩、社会情勢が劇的に変化をしている。そのような中で人々の暮らしを支えるインフラのあり方も今後大きく変化していくに違いない。激変する社会に合った土木デザインを考えていく為にも今までに無かった観点から土木デザインを捉える事によって新たな時代の土木施設のあり方、デザインを探究していく。

 そこで本年度からの景観開花。では、土木デザインを激変する社会情勢に合わせたその年度固有の観点から捉え、土木デザインを中心とした『まち』への広がり、新しいあり方の提案する。


土木の魅力をより多くの人へ

 土木施設は本来、人々の暮らしに密接な、欠かす事のできない存在であるものに関わらず、土木というジャンルは一般的には親しみの薄い存在であった。土木施設と土木というジャンルそのものがより人々と密接な関係性である存在となるように、新たな表現方法でこれからの土木デザインを提案していくべきであると考えた。その為に土木に関心のある若者のアイデアをその柔軟な発想力と発信力を活かし、今までの土木デザインではなかった手法、観点での提案を行っていきたい。
 景観開花。は本年度より提出物の一つとして、プレゼンテーション動画を必須とし、メディアプレゼンテーションという形式でアイデアの提案を要求する。自由な表現方法によってデザインアイデアの魅力、工夫を最大限に詰め込まれた提案がされる事を期待する。
また実行委員会も土木の持つ魅力をより多くの人たちに知ってもらう為に、情報発信、コンテンツ提供などを行っていく。


オンライン審査会の実施

今の新型コロナウイルス感染症の流行を鑑み、本年度は一次審査会、最終審査会共にweb上でのオンライン審査会を検討中。
(詳細は決定し次第お知らせ致します。来年度以降の審査会形式については未定)