募集要項


本年度テーマ

「Re:ver. Space」

現在、我々の都市生活は大きなターニングポイントを迎えている。昨今の社会の状況によって私たちが当たり前のように思っていた日常生活の様式が大きく変化しようとしている。密接、密集の流れにあった社会生活のあり方が根幹から揺らごうとしていると言っても過言ではない。これからの新しい生活様式の中では人々の生活は「密」を避けた「疎」を意識した生活へと変化していくだろう。都市への意識も「密」である大都市から「疎」である地方への意識がより高まっていく可能性も十分に考えられる。同様に都市の中や私たちが暮らす生活空間においても「密」から「疎」へと人々の集い方、暮らし方が変化していくことが考えられる。

 また労働、コミュニケーション、イベントなどの社会活動におけるリモート化の急速な普及によってこれからの人々の生活拠点の選択肢が豊富となっていくだろう。生活拠点の選択において、社会活動の利便性のために、交通の混雑の問題を抱える場合や居住環境に劣る場合のある大都市を必ずしも選択する必要がなくなったからである。
 その結果、大都市だけでなく自身のライフスタイルに合った多様な都市への関心が高まっていくことも期待される。ただし生活拠点として実際に選択されるかは、地方都市がいかに新しい『都市』生活様式における魅力、大都市にない魅力を示せるかにかかっているだろう。

 また、河川空間も大きな転換を遂げようとしている。河川空間は都市における良好な景観の創出、豊かな社会生活を送るためのアクティビティ空間の創出、治水・利水機能、多様な動植物の生息環境など幅広い観点で非常に重要な役割を担ってきた。河川は都市においてその土地の象徴的な存在であることが多く、河川の整備がまちづくりの中心的な役割をなす事は少なくない。より快適な河川空間の創出の為に、様々な活動が全国各地の河川にて行われている。特に近年では「河川空間のオープン化」をはじめとする河川空間における多様な利活用が試みられている。

 しかしながら、時として河川は私たちに牙を剝く事がある。近年の台風、大雨の激化によって、その被害は甚大なものとなっている。私達の都市生活をより安全なものにするために、土木インフラとしての本来機能である治水・利水機能を適切に確保しなければならない。
これからの土木デザインでは土木インフラとしての機能を十分に備えつつも、より豊かな都市生活を実現することができる河川空間のデザインが求められていると言える。

以上のことから、新しい『都市』生活様式をより豊かなものにするために土木デザインにおいても地方都市における河川空間のあり方を考え、次世代のバージョンの河川空間によって作られる新たな景観をテーマとする。


評価の観点

・時代を踏まえた新たな「地方都市における河川空間」の理想像の広がり
・「地方都市における河川空間」の理想像に対する、土木構造物または土木施設を中心とした、ハードに主眼を置いた提案の具体性と現実性
・提案がテーマに即しているか
・提案がもたらす新しい『都市』生活様式での体験の豊かさと美しさ

これらを総合的に評価する。


設計条件

・河川空間中心の提案であること。
・河川空間の利活用に対する、土木構造物または土木施設を中心とした、ハードに主眼を置いた提案であること
・原則河川法等の諸法令を遵守すること。逸脱する場合はその箇所および理由、実現のための方策等を合わせて明示すること。
・テーマに沿う都市を対象として選定し、選定理由と合わせて明示すること。
・実在する敷地を対象として明示すること。
・地質調査や構造計算は求めないが、構造の現実性は確保すること。


対象者

・2020年4月1日現在、大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専門学校・高等学校に籍をおく学生、もしくは経験年数5年以下の社会人であること。
・上記条件を満たす人物によるグループでの応募も可とする。
・後述するオンラインでのweb会議ツールを用いて遠隔開催される公開最終審査会に参加できること。一次審査にて入選作品に選ばれた時点で参加を確約できない場合、入選を取り消し次点の繰り上げとする。


提出物

以下を提出物および提出条件とする。締切日までに3点すべてを提出したもののみ、審査対象とする。

パネルデータ
提案の意図を表現する図面および説明文を記載したもの。A1サイズ片面1枚に収まるよう作成し、パネルデータをPDF形式としたもの。Webサービスを介したメールによる送信のみを受理する。なおメールには直接添付しないこと。
<ファイル名>
応募登録時に交付されるエントリーNo.をファイル名の先頭に使用し、「〇〇パネル.pdf」とすること。
例:「00パネル.pdf」

• 写真データ(模型写真・CG等)
本年度は一次審査会、最終審査会ともに遠隔開催のため、模型の提出を認めない。そこで、模型に相当する、設計の概観がわかる、JPEG形式の写真データの提出を求める。枚数は1枚以上5枚以下とする。送信方法はパネルデータと同様で、Webサービスを介したメールによる送信のみ受理する。
<ファイル名>
応募登録時に交付されるエントリーNo.をファイル名の先頭に使用し、また全枚数中の何枚目かを末尾に示し、「〇〇写真□/△枚目.jpg」とすること。
例:「00写真1/5枚目.jpg」

プレゼンテーション動画
3分以内の映像による提出作品についてのプレゼンテーション。一次審査において利用する。プレゼンテーションの方法は問わない。ファイル形式はMP4形式とする。送信方法はパネルデータと同様で、Webサービスを介したメールによる送信のみ受理する。
<ファイル名>
応募登録時に交付されるエントリーNo.をファイル名の先頭に使用し、「〇〇動画.mp4」とすること。
例:「00動画.mp4」

一次審査は公平を期すため匿名で審査を行うため、すべての提出物に氏名や所属先を明記してはならない。


その他

・応募作品は未発表のものに限る。
・応募作品は1エントリーにつき、1作品に限る。
・エントリーは1人につき、1エントリーに限る。
・応募作品の著作権は、応募者に帰属する。
・主催者および実行委員会は、本企画の主旨の範囲内で、著作権者名を明示のうえで、報告書、記者発表資料、作品集、Web等を通じて、応募作品および提案されたアイデア、情報、データ等を公表できるものとする。
・課題に対する質問は受け付けない。規定外の問題は応募者の自由決定とする。


募集要項

本年度募集要項はこちらよりダウンロードしてください。

エントリーフォーム

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以下のリンクよりエントリーフォームに進み必要事項を記入してください。